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中島敦:朗読CD集〜山月記,南島譚全3作,名人伝,文字禍,盈虚(CD3枚組)

中島敦の小説朗読CD集。
33歳で早世、専業作家としては実働1年間だった中島敦だが、中また、国古典への深い造詣と、冷厳な自己解析、自己の存在を見極めようという哲学的な視点は今、なお私たちをひきつけてやまない。本朗読CD集にも収録された『南島譚』三部作は、パラオの南洋庁勤務時代の経験が軸になっている。
 古典の中に現代を見極めようと苦闘し、人間をことのほか暖かく鋭く見つめながらも、愛しきることができなかった中島敦。その文学は読む人により、異なる景色を見せてくれることだろう。


中島敦:朗読CD集1 収録内容


  • 山月記

    中国、唐代の伝奇小説『李徴』。後に『人虎伝』として明代に伝わっていたものを、中島敦が脚色。科挙にも通ったエリート官僚だった李徴が原因不明の病で虎へと変化し、徐々に人間味を失っていく。その中で古き友と出会い・・・。


  • 名人伝

    中国春秋時代の寓話を脚色。弓の名手・飛衛に弟子入りし、奥義秘伝を得た紀昌だが、さらなる名人を求め霍山の甘蠅を訪ねる。矢を放たず鳥を射落とす神技を見た紀昌は9年間、修行を続けるのだが…。


  • 文字禍

    『もじか』と読む。アッシリアの碩学ナブ・アヘ・エリバ博士は、文字の霊が人間に及ぼす禍について研究していた。ところがアッシリア王は、博士の真言を聞き入れず、最後には文字の霊の呪いが博士に降りかかり・・・り・・・。


  • 南島譚・幸福

    中国春秋時代の寓話を、パラオの長老とその下男の話に置き換え、オルワンガル島の伝説に仕立てた。現実世界の幸福と不幸が、夢の中で逆転する。


  • 南島譚・夫婦

    パラオの島の伝わる神話や伝説をもとに創作された作品。パラオ、ガクウオ部落に住む夫婦の愛憎を綴っている。


  • 南島譚・鶏

    パラオの民族研究を続けている「私」を主人公にした作品。日本の彫刻家で民俗学者でもあった土方久功、パラオなど南洋諸島を広く取材し芸術作品を遺した、の日記を素材にして著された。


  • 盈虚

    「えいきょ」と読む。月の満ち欠け、すなわち栄枯盛衰を著す言葉。孔子の著作『春秋』の注釈書『左伝』の記録をもとに、衛の荘公の破滅を綴った作品。


商品コード : IS81212N11573
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