- 《上巻/第一章》 禅の先駆『ヨーガ』
佛教の兄弟『ヨーガ』 / 古代インドの宗教 / 宗教の哲学化 / ヨーガの五段階 / 無明・欣・厭 / 梵神の象徴(唵) / 師資相承 / 玄牝 / 十二因縁 / 四諦 / 三学 / 六度 / 諸教帰一 / 禅心 / 三昧と神通 / 不浄観と安般念(数息観) / 禅観 / 人生の四期 / バラモン階級の行き詰まり
- 《上巻/第二章》 釈迦が徹見したダルマ〈法〉
釈迦の大悟 / 階級の否定 / 釈迦の達観 / 佛法と王法 / 釈迦の本領 / ダルマ(法) / 三欲・五濁 / 劫濁 / 衆生濁・命濁 / 煩悩濁の五濁 / 見濁五見 / 釈迦佛教の大眼目
- 《上巻/第三章》 大乗と小乗 〜『大学』と『小学』
拈華微笑 / 三蔵の結集 / 大乗と小乗 / 小乗の形式主義 / 上求菩提・下化衆生 / 出家道に徹する小乗 / 聖徳太子の英断 / 釈迦の神聖化 / 釈尊を心の中に生かす / 灰身滅智 / 心の自在三昧こそ涅槃 / 『大学』と『小学』/ 声聞・縁覚・菩薩 / 諸法空相 / 般若経 / 諸法実相 / 即身成佛 / 小乗の悟力 / 一乗妙法 / 須弥山説 / 四天王 / 天主閣 / 有頂天
- 《上巻/第四章》 佛教と老荘思想
佛教伝来時の中国社会 / 現実逃避 / 黄崖教の乱 / 桃源郷 / 竹林の七賢 / 安世高・支讖・康僧会 / 曇摩迦羅・朱士行 / 竺法護・佛図澄
- 《上巻/第五章》 梁の武帝の狂信
魏晋南北朝時代 / 五胡十六国 / 玄儒文史 / 梁の武帝 / 武帝の狂信 / 梁の滅亡 / 六朝文化人の弱点 / 歴史は将来を暗示する / 佛教の功徳
- 《上巻/第六章》 達磨の正覚 〜二入四行論
自己と真理の冥符 / 報冤行 / 随縁行 / 無所求行 / 称法行 / 達磨禅の後継者 / 学問上の随縁行
- 《上巻/第七章》 禅と老荘
『易』の思想 / 時中 / 『陽』を建前とする儒教 / 『陰(統一・含蓄)』を建前とする老荘 / 玄徳 / 黄色の神秘 / 老荘流人間完成の九段階 / 老荘流の考え方 / 老荘流の政治家・庚桑楚 / 双葉山と木鷄 / 聖道門と浄土門 / 難行道と易行道
- 《上巻/第八章》 木鷄と木猫 〜禅の要諦
木鷄 / 男谷精一郎 / 木猫 / 道器一貫 / 主一無適 / 庖丁の話
- 《上巻/第九章》 東洋文化の本源 〜『天』の思想
『遊』の思想 / 『優』という字 / 法の意義 / 天の思想 / 玄牝 / 天人合一 / 万法帰一 / 人心は天心 / 本当の人間ほどつぶしがきく / 東洋的人格論 / 道を忘れて器に走る / 職業教育の弊害 / 公、卿、大夫の職責 / 撥乱反正 / 創業垂統 / 継体守文 / 因循姑息 / 撥乱独裁 / ヒットラーとムッソリーニ / 国民政治の四患『偽・私・放・奢』 / 生命衰退の原理 / 佛教・老荘・儒教の合流
- 《上巻/第十章》 末法の世の民衆佛教 〜三階級と地蔵信仰
機慧・敏慧 / 総持 / 曼陀羅 / 信行と三階教 / 地蔵信仰 / 地蔵の十益 / 常不軽菩薩行 / 末法の世の佛法 / 白蓮教 / 一燈照隅
- 《上巻/第十一章》 儒教の真精神 〜隋の文中子
王通(文中子) / 名、字、諱、諡の区別 / 王通の父(王伯高) / 隋の文帝 / 儒教の生命 / 至公血誠 / 天下を以て一民の命を易らず / 房杜・姚宋 / 数 / 主に仕える難しさ / 遠ざけて疎んぜず、近づけて狎れしめず / 三有七無 / 政治家の資格 / 非義を卜せず / 儒教の真面目 / 聖道門と浄土門 / 諸教帰一
- 《上巻/第十二章》 達磨正伝の禅風〈I〉
唐の太宗 / 中国の三大帝王 / 達磨の真骨頂 / 無生法忍三昧 / 如来と如来蔵 / 三十二相 / 即身成佛 / 転輪聖王 / 二祖慧可 / 万法一如、身佛無差別 / 三祖僧粲 / 四祖道信 / 五祖弘忍 / 六祖慧能 / 偈 / 慧能の偈 / 獅子岳快猛 / 曹洞宗 / 南頓北漸 / 禅の変化
- 《上巻/第十三章》 達磨正伝の禅風〈II〉
教外別伝・不立文字の真意 / 無相の智慧 / 実存即菩提 / 直心 / 瀉瓶 / 頭陀派と教化派 / 野狐禅 / 神秀と慧能 / 荷沢神会
- 《上巻/第十四章》 禅と則天武后
稀代の女傑 / 婦徳の典型・文徳皇后 / 残虐な計略 / 天皇・天后 / 狄仁傑 / 則天大聖皇帝 / 武后の淫虐 / 棒・喝の始まり / 北宗の不運 / 宮廷クーデター / 唐王朝の腐敗 / 頽廃の中の篤信
- 《上巻/第十五章》 六祖慧能の禅
六祖壇経 / 佛は人間(吾)を超越した存在ではない / 無相と無念 / 一行三昧
- 《上巻/第十六章》 禅の真髄 〜百丈懐海
石頭希遷 / 頼山陽、橋本左内、幸徳秋水の例 / 青原行思 / 南岳懐譲と馬祖道一 / 馬祖の『喝』 / 平常心是道 / 百丈懐海 / 独り大雄峯に坐す / 一日不作、一日不食 / 不落因果、不昧因果 / 禅修行の組織化 / 安禄山の乱 / 諸教は帰するところみな同じ
- 《下巻/第一章》 五家七宗 〜禅の発展
南頓北漸/五家七宗/偶像は拝せず / 不惜身命・但惜身命/焼身供養/法華経提婆達多品 / い山霊祐/仰山慧寂/黄檗希運/黄檗希運の宗風 / 臨済義玄/臨済の六通/臨済の四料簡/薬山惟儼 / 洞山の『三滲漏』/洞山の『三路』/洞山の『五位』/曹山本寂 / 寒山拾得/豊干/寺田日円尼/坐脱・立亡/火定
- 《下巻/第二章》 宋学の勃興
唐の滅亡/宗教と道徳/宗教の本質/浄土門と聖道門 / 日蓮念佛/甘えやすい宗教/宗教の陥穽/趙宗の始まり / 儒佛の交流/陳摶と?放/儒佛兼道の明教大師/碧巌録 / 儒者に情眼/周茂叔と易学/静の哲学/邵康節 / 程明道と程伊川/張横渠/司馬光/劉元城/范仲淹/欧陽脩 / 真の教養とは/宋の派閥闘争/王安石の革新政治
- 《下巻/第三章》 易の哲学 〜周茂叔と太極図説
易学の普及/太極図説/無極にして太極 / 動、中して静/静極まって復た動/統計に基づく推計学 / 二気五行論/四柱推命/科学と易学の接近 / 通書/誠と幾/道徳の源/天人合一の学問
- 《下巻/第四章》 漢民族と日本民族
主客一如/悪に対応する道/弱肉強食の境地/復讐的精神 / 宗教的態度/ガンディズム/偽善的精神/尚武的精神 / 甘い日本、苛烈な中国/没法子/やり直しだ/功過格 / 中国の民族哲学/恐るべき『生』の哲学/中国人の友誼友情/義兄弟 / 天性の人間観察力/生きることに忠恕/柔にして老/老獪佞奸 / 日本人の特質/古神道の精神/他力本願/伝統的民族性
- 《下巻/第五章》 宋の試練 〜文華と文弱
宋の建国/篤実な趙匡胤/論語宰相・趙普/流水型とダム型 / 王船山/趙匡胤政治の六徳/中国政治の三原理 / 宋史の眼目/右文左武/将軍連が軍権返上/宋の文弱化 / コンプロマイザー/宋の黔驢外交/漢民族の試練 / 蒙古民族の欧亜席捲/耶律楚材/オゴタイ/漢民族とスラブ民族
- 《下巻/第六章》 碧巌録
祖師禅/『禅宗』の成立/儒教の影響 / 雪竇重顕/圜悟克勤/張商英 / 維摩経/平和論者・秦檜/大慧宗杲 / 碧巌録の歪曲/虎と禅僧/坐脱・立亡 / 野狐禅、迎合禅/公案/不識の公案 / 独坐大雄峯/野狐の公案/禅の真諦 / 悟道の詩的表現/麻三斤/儒・佛・道の混融
- 《下巻/第七章》 華厳と円覚 〜禅の哲学
佛を自分自身に体現/教外別伝/キルケゴールの痛言 / 禅の本質/是三無差別/禅家独特の教学様式 / 白隠/禅弊/大慧宗杲の気慨/看話禅/黙照禅 / 天道正覚の偈/曹洞の綿密/萬松行秀/華厳経 / 法蔵/東大寺の大仏/毘盧遮那佛/南無妙法蓮華経 / 華厳経の哲学/圭峰宗密/華厳の六相 / 人間喪失社会/花園天皇
- 《下巻/第八章》 陽明学の前夜 〜形式化する教学
漢民族の生命力/スラブ民族/元の支配が漢民族を再活性化 / 元衰退の原因/民族の興廃は気力次第/法匪と教匪 / 紅巾の賊/朱元璋/血の通った理想像 / 禍福生死に惑う朱元璋/功臣宿将を殲滅/日本征服計画 / 永楽帝/『吏治』澄清/国会議員と行政長官を分離 / 議論闘争の弊害/就職のための学問教育 / 王陽明/方孝孺/湛甘泉
- 《下巻/第九章》 王陽明の生涯と教学
良知・致良知/学問の『道』 / 『道』とは永遠と実践を意味するもの/息遊軒 / 和気と毒気/陽明の出生/幼時伝説 / 油断も隙もない少年/良心も鋭敏/陽明の五溺 / 進士及第/霊感体験/陽明の宿痾/投獄/龍場流謫 / 快活/命懸けの思索/悟道・開眼 / 知行合一/土民教化/全生命を打ち込む学問 / 際立った匪賊討伐/戦中講学/心中の賊を破るは難し / 一掴一掌血、一棒一条痕/一点滴骨血/心霊の躍動する学風 / ソクラテスと陽明/宸濠の叛乱/陽明の軍略 / 宦官の謀略/この心光明
- 《下巻/第十章》 天地萬物一体論
陽明の気韻溢るる書/道は固より自在、学も亦た自在 / テイヤール・ド・シャルダン/古聖・先賢の洞察 / 天地、心を立つと為す/良知・致良知/自慊 / 辞を詭って俗に阿る/良知の学/度量と器量 / 惻隠の心/惰弱になった日本民族/佞をなす / 孔子に対する悪口/天地萬物一体の仁/天を楽しんで命を知る / 曾先之と文天祥/夫と婦/慊りないわが心 / 感激的精神/無力な国連/正気時あって光を放つ
- 《下巻/十一章》 抜本塞源論
顧東橋/聖人の意味/人、禽獣夷狄に淪み / 天地萬物を以て一体となす/論語の新解釈/心体の同然に復る / 『中』の弁証法的意味/唐虞三代の世/聞見の雑、記誦の煩 / 佛で木をつくる/聖人の学は至易至簡/訓詁の学 / 牛のケツ/良知の明らかなること萬古一日/猶興の人物
- 編集後記