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【朗読】安岡正篤人間学講話 -禅と陽明学-(CD26枚組)

善無く悪無きは是れ心の体なり
善有り悪有るは是れ意の動なり
善を知り悪を知るは是れ良知なり
善を為し悪を去るは是れ格物なり

昭和の日本哲学/思想を牽引し、昭和最大の黒幕と号された安岡正篤氏。その講演録集を朗読化。
『黒幕』と聞くと、私たちは立場や財力と権力を武器に暗躍する人物を想定しがちだが、安岡先生にあっては、むしろ人の心を指導するご意見番として、国の方向性に影響を与えたと云われている。賛否は在ろうが、国士であったことは間違いないだろう。吉田茂氏、池田勇人氏、佐藤栄作氏、福田赳夫氏、大平正芳氏などの歴代総理、文豪・三島由紀夫にも大きな影響を与えたと云われる。
本作では、明代の儒家・王陽明が提唱した陽明学の『到良知』の考え方と、日本人の心に染みこんでいる禅思想・禅的価値観を時に対比し、時に補完しつつ、現実に生きる人生哲学、生き抜く力を考える。
全1656分収録。


【朗読】安岡正篤人間学講話 -禅と陽明学- 目次


  • 《上巻/第一章》 禅の先駆『ヨーガ』

    佛教の兄弟『ヨーガ』 / 古代インドの宗教 / 宗教の哲学化 / ヨーガの五段階 / 無明・欣・厭 / 梵神の象徴(唵) / 師資相承 / 玄牝 / 十二因縁 / 四諦 / 三学 / 六度 / 諸教帰一 / 禅心 / 三昧と神通 / 不浄観と安般念(数息観) / 禅観 / 人生の四期 / バラモン階級の行き詰まり


  • 《上巻/第二章》 釈迦が徹見したダルマ〈法〉

    釈迦の大悟 / 階級の否定 / 釈迦の達観 / 佛法と王法 / 釈迦の本領 / ダルマ(法) / 三欲・五濁 / 劫濁 / 衆生濁・命濁 / 煩悩濁の五濁 / 見濁五見 / 釈迦佛教の大眼目


  • 《上巻/第三章》 大乗と小乗 〜『大学』と『小学』

    拈華微笑 / 三蔵の結集 / 大乗と小乗 / 小乗の形式主義 / 上求菩提・下化衆生 / 出家道に徹する小乗 / 聖徳太子の英断 / 釈迦の神聖化 / 釈尊を心の中に生かす / 灰身滅智 / 心の自在三昧こそ涅槃 / 『大学』と『小学』/ 声聞・縁覚・菩薩 / 諸法空相 / 般若経 / 諸法実相 / 即身成佛 / 小乗の悟力 / 一乗妙法 / 須弥山説 / 四天王 / 天主閣 / 有頂天


  • 《上巻/第四章》 佛教と老荘思想

    佛教伝来時の中国社会 / 現実逃避 / 黄崖教の乱 / 桃源郷 / 竹林の七賢 / 安世高・支讖・康僧会 / 曇摩迦羅・朱士行 / 竺法護・佛図澄


  • 《上巻/第五章》 梁の武帝の狂信

    魏晋南北朝時代 / 五胡十六国 / 玄儒文史 / 梁の武帝 / 武帝の狂信 / 梁の滅亡 / 六朝文化人の弱点 / 歴史は将来を暗示する / 佛教の功徳


  • 《上巻/第六章》 達磨の正覚 〜二入四行論

    自己と真理の冥符 / 報冤行 / 随縁行 / 無所求行 / 称法行 / 達磨禅の後継者 / 学問上の随縁行


  • 《上巻/第七章》 禅と老荘

    『易』の思想 / 時中 / 『陽』を建前とする儒教 / 『陰(統一・含蓄)』を建前とする老荘 / 玄徳 / 黄色の神秘 / 老荘流人間完成の九段階 / 老荘流の考え方 / 老荘流の政治家・庚桑楚 / 双葉山と木鷄 / 聖道門と浄土門 / 難行道と易行道


  • 《上巻/第八章》 木鷄と木猫 〜禅の要諦

    木鷄 / 男谷精一郎 / 木猫 / 道器一貫 / 主一無適 / 庖丁の話


  • 《上巻/第九章》 東洋文化の本源 〜『天』の思想

    『遊』の思想 / 『優』という字 / 法の意義 / 天の思想 / 玄牝 / 天人合一 / 万法帰一 / 人心は天心 / 本当の人間ほどつぶしがきく / 東洋的人格論 / 道を忘れて器に走る / 職業教育の弊害 / 公、卿、大夫の職責 / 撥乱反正 / 創業垂統 / 継体守文 / 因循姑息 / 撥乱独裁 / ヒットラーとムッソリーニ / 国民政治の四患『偽・私・放・奢』 / 生命衰退の原理 / 佛教・老荘・儒教の合流


  • 《上巻/第十章》 末法の世の民衆佛教 〜三階級と地蔵信仰

    機慧・敏慧 / 総持 / 曼陀羅 / 信行と三階教 / 地蔵信仰 / 地蔵の十益 / 常不軽菩薩行 / 末法の世の佛法 / 白蓮教 / 一燈照隅


  • 《上巻/第十一章》 儒教の真精神 〜隋の文中子

    王通(文中子) / 名、字、諱、諡の区別 / 王通の父(王伯高) / 隋の文帝 / 儒教の生命 / 至公血誠 / 天下を以て一民の命を易らず / 房杜・姚宋 / 数 / 主に仕える難しさ / 遠ざけて疎んぜず、近づけて狎れしめず / 三有七無 / 政治家の資格 / 非義を卜せず / 儒教の真面目 / 聖道門と浄土門 / 諸教帰一


  • 《上巻/第十二章》 達磨正伝の禅風〈I〉

    唐の太宗 / 中国の三大帝王 / 達磨の真骨頂 / 無生法忍三昧 / 如来と如来蔵 / 三十二相 / 即身成佛 / 転輪聖王 / 二祖慧可 / 万法一如、身佛無差別 / 三祖僧粲 / 四祖道信 / 五祖弘忍 / 六祖慧能 / 偈 / 慧能の偈 / 獅子岳快猛 / 曹洞宗 / 南頓北漸 / 禅の変化


  • 《上巻/第十三章》 達磨正伝の禅風〈II〉

    教外別伝・不立文字の真意 / 無相の智慧 / 実存即菩提 / 直心 / 瀉瓶 / 頭陀派と教化派 / 野狐禅 / 神秀と慧能 / 荷沢神会


  • 《上巻/第十四章》 禅と則天武后

    稀代の女傑 / 婦徳の典型・文徳皇后 / 残虐な計略 / 天皇・天后 / 狄仁傑 / 則天大聖皇帝 / 武后の淫虐 / 棒・喝の始まり / 北宗の不運 / 宮廷クーデター / 唐王朝の腐敗 / 頽廃の中の篤信


  • 《上巻/第十五章》 六祖慧能の禅

    六祖壇経 / 佛は人間(吾)を超越した存在ではない / 無相と無念 / 一行三昧


  • 《上巻/第十六章》 禅の真髄 〜百丈懐海

    石頭希遷 / 頼山陽、橋本左内、幸徳秋水の例 / 青原行思 / 南岳懐譲と馬祖道一 / 馬祖の『喝』 / 平常心是道 / 百丈懐海 / 独り大雄峯に坐す / 一日不作、一日不食 / 不落因果、不昧因果 / 禅修行の組織化 / 安禄山の乱 / 諸教は帰するところみな同じ


  • 《下巻/第一章》 五家七宗 〜禅の発展

    南頓北漸/五家七宗/偶像は拝せず / 不惜身命・但惜身命/焼身供養/法華経提婆達多品 / い山霊祐/仰山慧寂/黄檗希運/黄檗希運の宗風 / 臨済義玄/臨済の六通/臨済の四料簡/薬山惟儼 / 洞山の『三滲漏』/洞山の『三路』/洞山の『五位』/曹山本寂 / 寒山拾得/豊干/寺田日円尼/坐脱・立亡/火定


  • 《下巻/第二章》 宋学の勃興

    唐の滅亡/宗教と道徳/宗教の本質/浄土門と聖道門 / 日蓮念佛/甘えやすい宗教/宗教の陥穽/趙宗の始まり / 儒佛の交流/陳摶と?放/儒佛兼道の明教大師/碧巌録 / 儒者に情眼/周茂叔と易学/静の哲学/邵康節 / 程明道と程伊川/張横渠/司馬光/劉元城/范仲淹/欧陽脩 / 真の教養とは/宋の派閥闘争/王安石の革新政治


  • 《下巻/第三章》 易の哲学 〜周茂叔と太極図説

    易学の普及/太極図説/無極にして太極 / 動、中して静/静極まって復た動/統計に基づく推計学 / 二気五行論/四柱推命/科学と易学の接近 / 通書/誠と幾/道徳の源/天人合一の学問


  • 《下巻/第四章》 漢民族と日本民族

    主客一如/悪に対応する道/弱肉強食の境地/復讐的精神 / 宗教的態度/ガンディズム/偽善的精神/尚武的精神 / 甘い日本、苛烈な中国/没法子/やり直しだ/功過格 / 中国の民族哲学/恐るべき『生』の哲学/中国人の友誼友情/義兄弟 / 天性の人間観察力/生きることに忠恕/柔にして老/老獪佞奸 / 日本人の特質/古神道の精神/他力本願/伝統的民族性


  • 《下巻/第五章》 宋の試練 〜文華と文弱

    宋の建国/篤実な趙匡胤/論語宰相・趙普/流水型とダム型 / 王船山/趙匡胤政治の六徳/中国政治の三原理 / 宋史の眼目/右文左武/将軍連が軍権返上/宋の文弱化 / コンプロマイザー/宋の黔驢外交/漢民族の試練 / 蒙古民族の欧亜席捲/耶律楚材/オゴタイ/漢民族とスラブ民族


  • 《下巻/第六章》 碧巌録

    祖師禅/『禅宗』の成立/儒教の影響 / 雪竇重顕/圜悟克勤/張商英 / 維摩経/平和論者・秦檜/大慧宗杲 / 碧巌録の歪曲/虎と禅僧/坐脱・立亡 / 野狐禅、迎合禅/公案/不識の公案 / 独坐大雄峯/野狐の公案/禅の真諦 / 悟道の詩的表現/麻三斤/儒・佛・道の混融


  • 《下巻/第七章》 華厳と円覚 〜禅の哲学

    佛を自分自身に体現/教外別伝/キルケゴールの痛言 / 禅の本質/是三無差別/禅家独特の教学様式 / 白隠/禅弊/大慧宗杲の気慨/看話禅/黙照禅 / 天道正覚の偈/曹洞の綿密/萬松行秀/華厳経 / 法蔵/東大寺の大仏/毘盧遮那佛/南無妙法蓮華経 / 華厳経の哲学/圭峰宗密/華厳の六相 / 人間喪失社会/花園天皇


  • 《下巻/第八章》 陽明学の前夜 〜形式化する教学

    漢民族の生命力/スラブ民族/元の支配が漢民族を再活性化 / 元衰退の原因/民族の興廃は気力次第/法匪と教匪 / 紅巾の賊/朱元璋/血の通った理想像 / 禍福生死に惑う朱元璋/功臣宿将を殲滅/日本征服計画 / 永楽帝/『吏治』澄清/国会議員と行政長官を分離 / 議論闘争の弊害/就職のための学問教育 / 王陽明/方孝孺/湛甘泉


  • 《下巻/第九章》 王陽明の生涯と教学

    良知・致良知/学問の『道』 / 『道』とは永遠と実践を意味するもの/息遊軒 / 和気と毒気/陽明の出生/幼時伝説 / 油断も隙もない少年/良心も鋭敏/陽明の五溺 / 進士及第/霊感体験/陽明の宿痾/投獄/龍場流謫 / 快活/命懸けの思索/悟道・開眼 / 知行合一/土民教化/全生命を打ち込む学問 / 際立った匪賊討伐/戦中講学/心中の賊を破るは難し / 一掴一掌血、一棒一条痕/一点滴骨血/心霊の躍動する学風 / ソクラテスと陽明/宸濠の叛乱/陽明の軍略 / 宦官の謀略/この心光明


  • 《下巻/第十章》 天地萬物一体論

    陽明の気韻溢るる書/道は固より自在、学も亦た自在 / テイヤール・ド・シャルダン/古聖・先賢の洞察 / 天地、心を立つと為す/良知・致良知/自慊 / 辞を詭って俗に阿る/良知の学/度量と器量 / 惻隠の心/惰弱になった日本民族/佞をなす / 孔子に対する悪口/天地萬物一体の仁/天を楽しんで命を知る / 曾先之と文天祥/夫と婦/慊りないわが心 / 感激的精神/無力な国連/正気時あって光を放つ


  • 《下巻/十一章》 抜本塞源論

    顧東橋/聖人の意味/人、禽獣夷狄に淪み / 天地萬物を以て一体となす/論語の新解釈/心体の同然に復る / 『中』の弁証法的意味/唐虞三代の世/聞見の雑、記誦の煩 / 佛で木をつくる/聖人の学は至易至簡/訓詁の学 / 牛のケツ/良知の明らかなること萬古一日/猶興の人物


  • 編集後記

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