お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

共に歌舞伎でも人気演目の『平家女護島・鬼界ヶ島の段』『近江源氏先陣館・盛綱陣屋の段』を文楽＝人形浄瑠璃でお楽しみいただきます。近松門左衛門の最高傑作のひとつ 『平家女護島・鬼界ヶ島の段（俊寛）』は、竹本越路太夫の精緻な語りと、初代・吉田玉男が遣う俊寛の動きが見どころ。特に船が出向して後、一旦は帰京を諦めた俊寛の嘆きと狼狽は人間の弱さと悲哀を映しこんだ名場面。 『近江源氏先陣館・盛綱陣屋の段』は竹本津大夫、野澤勝太郎による相三味線が聴き処。時代物＝史劇を得意とする竹本津太夫の語りも当然ながら魅力十二分！　全160分収録。
封入解説書つき ／ 日本語字幕つき（詞章のみ）

• 【太夫と三味線】竹本津大夫、野澤勝太郎、竹本越路大夫、鶴澤清治
• 【人形遣い】初代・吉田玉男、吉田文雀、二代・桐竹勘十郎ほか

平家女護島・鬼界ヶ島の段（俊寛）

　『俊寛』の名で知られる近松門左衛門屈指の戯曲。鹿ケ谷の陰謀を企んだ罪で鬼界が島に流された俊寛、成経、康頼の三人だが、なんとか生き延びる中、成経は島の娘・千鳥と夫婦になる。 喜びを分かち合う四人の元に、都より恩赦船が到着。上使の妹尾義康が、恩赦で成経、康頼が都へ戻れることになったと告げる。嘆き悲しむ俊寛だが、清盛の長男・平重盛の心遣いで一転、 帰れることに。しかし俊寛を快く思わない妹尾は、俊寛の妻・東屋を自分が殺めたこと、成経の妻・千鳥は船に乗せられないことを告げ、俊寛を罵倒する。怒りのあまり、俊寛は妹尾を切り捨て、 自分の代わりに千鳥を成経と共に船に乗せるように頼むのだが・・・。

近江源氏先陣館・盛綱陣屋の段

　大阪城を巡る徳川と豊臣の争いを源氏の内紛に置き換えて戯曲化した大阪軍記物の傑作。北条時政（徳川家康）と源頼家（豊臣秀頼）が覇を競う中、佐々木盛綱（真田信之）は時政に、 盛綱の弟で名高い智将・高綱（真田幸村）は頼家に味方する。ある戦で盛綱の子・小三郎が高綱の子・小四郎を生捕にする。時政は小四郎を殺さず、その命を条件に高綱を味方に引き入れろと、 盛綱に命ずる。弟に武士の意気地を全うさせてやりたい盛綱は、母の微妙に小四郎に自裁を薦めてほしいと懇願する。
　そんな折、高綱戦死のほうが入る。盛綱はその首が 偽物であると見抜く。時政の油断を誘うための計略であったのだ。小四郎は父の計略を成功させるため、嘆き悲しんだ末、自ら死を選ぶのだった・・・そして盛綱は・・・。