お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

女性を描く文楽=人形浄瑠璃を取り上げた一巻。『艶容女舞衣』では許嫁に裏切られつつも操を通すお園を、 『染模様妹背門松』では愛と孝の狭間で苦悩し死によって思いを貫いたお染を描く。また、文楽のヒロインの名場面から当時の女性の意気地を綴った『浄瑠璃の女ごころ』は、 当時、話題になった番組で、テレビなどが欧米的女性の価値観のみを讃美する中、日本古来の女性の生き方も美しくかっこいいものであり、どちらを幸福と思うかは 女性個々の判断であることを暗に伝える作品となっている。
　人形浄瑠璃の世界に花咲いたヒロインたちの人生をぜひお楽しみください。全170分収録。
封入解説書つき ／ 日本語字幕つき（詞章のみ）

艶容女舞衣・酒屋の段

　今頃は半七様どこにどうしてござらうぞ。今更返らぬことながら・・・　のクドキが有名な『艶容女舞衣』。茜屋半七と三勝の心中物語（実話）を舞台化した作品で、 恋のもつれで人を殺めた半七・三勝の二人に愛想をつかしながらも、自らを責める半七の婚約者・お園の一途な恋を描き出している。家の都合に反発したであろう半七も哀れではあるが、 たった一度の逢瀬もなしに後家になろうと覚悟を決めるお園も哀れ。正しい、間違っているだけではない人間模様が魅力。（50分）

• 【太夫と三味線】竹本越路太夫×二代・野澤喜左衛門
• 【人形遣い】お園（桐竹紋十郎）、宗岸（初代・吉田玉男）、半兵衛（吉田辰五郎）

染模様妹背門松・質店の段

嫁入りが決まった大店の娘・お染と恋仲の手代・久松の心中。清元にも歌われる実際の事件を舞台化。『質屋の段』は人気シーンで、死を覚悟した久松と、すでに久松の子を宿していることを 母に知られてしまったお染を、久松の父とお染の母がなんとか別れさせ、互いの身が立つように説得を試みるシーン。まさか二人が死を決意しているとは思いもせず、必死に説得する親心、 一途に愛を貫かんとする恋心、それでも親の前では頷いてみせる健気で優しい孝心。どれもが嘘偽りでないことがただただ切ない。（60分）

• 【太夫と三味線】竹本津太夫×野澤吉兵衛
• 【人形遣い】久作（初代・吉田玉男）、お染（吉田簑助）、久松（吉田玉昇）

ドキュメンタリー　浄瑠璃の女ごころ

　随筆家・岡部伊都子の語りで綴る文楽における女心、『浄瑠璃の女ごころ』をＤＶＤ化。お染（染模様妹背門松、新版歌祭文）やお園（艶容女舞衣）、梅川（冥途の飛脚）など、文楽＝人形浄瑠璃を代表する ヒロインたちの名シーンを盛り込みながら、当時の女性のありかたや存在感を描く。現代社会は画一的な今日的な女性の生きざまだけを推奨、応援するが、昔の女性の生き方にも十二分に価値があり、 魅力があり、力強い生き方であったことを伝えてくれる。幸せは一人一人異なることを感じさせてくれる。（60分）

• 【太夫と三味線】竹本越路太夫×鶴澤清治
• 【人形遣い】お染、お園、梅川（吉田簑助）