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【昭和名画館】無宿〜やどなし〜:高倉健×勝新太郎×梶芽衣子(DVD)

アラン・ドロンの名画『冒険者たち』を、ジャパン・エッセンスを加え、粋に仕上げた『無宿〜やどなし〜』。高倉健、勝新太郎、梶芽衣子の3人がその魅力を驚くほどに表現した映画だ。
 実直で生真面目、一本気な錠吉(高倉健)、破天荒でワイルドだが人に対する繊細さが見え隠れする駒玄(勝新太郎)。圧巻は梶芽衣子だ。はしゃぐ姿が凄くかわいく、美しいが、やはり影がある。映画の中、祭りの中を真直ぐ歩く高倉健、まとわりつくように歩く梶芽衣子、このシーンが素晴らしく美しい。高倉健演じる錠吉、梶芽衣子演じるサキエ、ただ人の間を抜けていくだけなのだが、心の中の闇が確かに見える。心の曇りを隠して懸命に生き抜く人の健気さを感じる。
 監督は斎藤耕一、脚本は中島丈博と蘇武道夫が担当。共演は藤間紫、根津甚八、安藤昇、山城新伍など。日本が生んだ名画『無宿〜やどなし〜』をぜひお楽しみください。


無宿〜やどなし〜  あらすじ


 昭和12年夏。穴吹錠吉(高倉健)と駒形玄造こと駒玄(勝新太郎)が出所した。錠吉はすぐに亡き兄貴分の女房ユキノを女郎屋に尋ねるが、ユキノはすでに自殺しており、サキエ(梶芽衣子)という娘から足抜けの手助けを頼まれる。駒玄の助けもあり、なんとかサキエの足抜けを成功させた錠吉だが、兄貴分の仇を討つため姿を消すのだった。
 一方、残された駒玄とサキエは、錠吉の過去が潜水夫だったことから、山陰・島根沖に沈むバルチック艦隊の軍用金引き上げを思いつく。錠吉に協力を断られたものの、あきらめきれず一路、山陰へと向かう。足抜けしたサキエを追う女衒やくざ。見事、兄貴分の仇を討ち、自らが仇として追われる錠吉。それぞれがそれぞれの事情と思いを胸に旅を続けるのだが・・・。


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