どんな人にも、歴史があり、物語がある。
日々の生活に追われる名もなき市井の人々、才能を開花する機会を得ず埋もれていく軽輩の侍たち、村から一歩もでることなく一生を終える百姓・・・藤沢周平はそういう人たちの何気ない日々の生活の中に、現代の私たちと通ずる苦悩と小さな悦びを見出す。スマホがあろうと、電気自動車が走ろうと、宇宙衛星が飛び交おうと、人間が持つ苦悩と喜びの根源は変わらない。
人間が人間であることの辛さと楽しさを感じさせてくれる藤沢周平時代小説を、秀逸の脚本と映像でドラマ化。ぜひお楽しみください。
各巻 3,800円(税別)
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果し合い 【出演】:松雪泰子、江口洋介
兄が家督を継ぎ、一生を部屋住みとして過ごした老人・庄司佐之助(仲代達矢)。厄介者の佐之助の世話は兄の息子で現当主である甥の娘・美也(桜庭ななみ)が勤めていた。或る日、美也から思いを寄せた男性がいるが、両親が家柄のよい男性に嫁がせようとし、結局はお断りしたが、その男性が美也の想い人に果し合いを申し込んでしまったという。相談を聞いた佐之助は・・・。『北の国から』で知られる杉田成道監督去作品。
遅いしあわせ 【出演】:檀れい、加藤雅也
小料理屋で働くおもん(檀れい)には、近頃気になる人ができた。小料理屋に通ってくる桶職人の重吉(加藤雅也)だ。秘かな思いを胸に秘めつつ、日々を送るおもんだが、彼女には気がかりなことがあった。嫁入り先にまで金をせびりに来る弟(柄本佑)のために、おもんは離縁されていた。或る日、おもんのもとにヤクザたちがやってきて、弟が賭場の金三十両を使い込んだという。ヤクザたちはおもんを連れ去り、借金のかたに叩き売ろうとする。監督は井上昭。
冬の日 【出演】:中村梅雀、高岡早紀
しんしんと雪が降る或る寒い冬の日。あまりの寒さに思わず居酒屋に駆け込んだ清次郎(中村梅雀)は、そこで働く厚化粧の女性に目を止めた。「おいしさん?」・・・彼女は、幼かった清次郎が、父を亡くし貧しかった母と共に厄介になったお店の娘・おいし(高岡早紀)に違いなかった。見る影もなく身を持ち崩した彼女にいったいなにがあったのか。清次郎の心は揺れていた・・・。監督は井上昭。