お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

中村錦之助（後の萬屋錦之介）主演の娯楽時代劇映画、『風雲児・織田信長』。織田信長の跡目相続から桶狭間の勝利までを描いた時代劇映画で、スピード感あふれる展開と、余話を省き織田信長を描くことに集中した卓越な脚本で、 公開後半世紀以上経過した今でも新鮮な面白さを感じさせる名画。主演の中村錦之助に加え、濃姫に香川京子、平手政秀に月形龍之介、丹羽万千代（後の丹羽長秀）に里見浩太朗、 木下藤吉郎（後の豊臣秀吉）に中村嘉葎雄、斎藤道三に進藤英太郎、と錚々たるメンバーが参加している。織田信長は、その苛烈に過ぎる性格と、 悲劇的な最期からなかなか時代劇の主人公にはなり得ないのだが、本作では、躍動感にあふれ、猛々しくも理想に邁進する若き日の織田信長を描いていた秀作。桶狭間に向かう際の幸若舞のシーンは秀逸！

中村錦之助 『風雲児・織田信長』　あらすじ

　尾張の名将・織田信秀が死んだ。嫡子・織田信長は齢16。父の葬礼に異形のいで立ちで現れ、位牌に抹香を投げつける、 そんな尾張の大うつけに国を保つことは難しいと誰もが思ったが唯一、妻の濃姫だけは信長の日焼した頬を伝う一筋の涙に気づいていた。
　時は戦国時代。信秀の死を狙い尾張を狙う群雄たち。織田家の将来を危惧した信長の忠臣・平手政秀は諫書をしたため、切腹して果てた。 信長の奇行は群雄たちを欺く芝居であったが、却って大切な家臣を失うと気づいた信長は、突如、濃姫の父・斎藤道三との会見を承諾。信長暗殺を企てた道三の心を捉え、 強い同盟を結ぶことに成功する。
　しかしクライマックスはこれからだった。これまでも小競り合いを続けてきた駿遠三の太守・今川義元が四万の大軍で尾張に侵攻。 京都上洛を目指す義元は、信長勢の前衛を次々と撃破し、清須城に迫る。織田信長の兵力はわずかに五千！　 動揺する家臣たちを背に、敦盛を静かに舞い始めた信長に秘策はあるのか？　風雲児・織田信長の乾坤一擲の闘いが、今、始まろうとしていた・・・。