お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

近松門左衛門の『心中天網島』を映画監督の篠田正浩、詩人の富岡多恵子、日本を代表する音楽家・武満徹が共同で脚色し、 第43回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第１位を獲得した名画。1969年発表と非常に古い映画ではあるが、モノクロームの世界がより女優・岩下志麻の美しさを際立たせ、 抒情的な幻想的な世界の構築に一役買っている。恋に狂えば道をも見えず、愛に狂えば一筋の道。歌舞伎でも名高い近松門左衛門の世界観を、歌舞伎役者・中村吉右衛門を 主役に配し、若き日の岩下志麻の圧倒的な美と存在感と共に丁寧に描きこんだ一作。
モノクロ ／ 本編103分＋特典映像
【映像特典】：予告篇　【封入特典】：解説書

　大阪天満の紙屋・治兵衛（中村吉右衛門）は女房子供のある身でありながら、曽根崎新地の遊女・小春（岩下志麻）に 大層入れあげる。心中＝情死が真っ直ぐな愛の帰結ともてはやされた時代である。心配をした治兵衛の兄・粉屋の孫右衛門（滝田裕介）は、小春に治兵衛と別れるよう問い質す。すると小春は、 治兵衛とは別れる。心中など思ってもいない、と突き放す。これを聞いた治兵衛は怒り狂い、結局小春からの起請文を投げ返して、家に帰っていくのだった。
　数日後、小春が別の男に身請けされるという噂が立った。悔しがる治兵衛の姿を見た、治兵衛の妻おさんは、小春の心変わりの原因が自分の手紙であったことを打ち明ける。 治兵衛との愛を失い、その愛を心に残したまま好きでもない男のものになるであろう小春。小春の自害を心配した治兵衛は必死に身請け金を集めようとするが・・・。ついに治兵衛と小春は死を決意。網島大長寺へと向かうのだった。