お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

五味康祐の長編時代小説『柳生武芸帳』を三船敏郎、鶴田浩二で映画化した作品。原作の『柳生武芸帳』は1956年から1958年にかけて連載された。武芸帳の秘密を追うミステリーあり、徳川初期の歴史的面白みあり、忍者や剣豪が相争う剣劇あり、と もはや時代劇のビックリ箱のような小説でとにかく面白いのだが、話があっちへ飛び、こっちに戻り、余程気合を入れて読まないと、話の前後関係がわからなくなってしまう感があった。 結局、休載の末、未完で終わったのだが、やはり魅力的な設定と、読めば面白い！という説得力は如何ともしがたく、何度か映画化されている。
　本作は三船、鶴田をはじめ乙羽信子、香川京子、久我美子、中村扇雀（現・坂田藤十郎）、大河内伝次郎、岩井半四郎、平田昭彦、左卜全、東野英治郎、岡田茉莉子、稲葉義男など、錚々たるメンバーが総出演。監督はかの稲垣浩、音楽は伊福部昭が担当している。
　映画文化華やかなりし時代に制作された、時代劇映画の傑作『柳生武芸帳』そして『柳生武芸帳・双竜秘剣』、ぜひお楽しみください。

柳生武芸帳＆柳生武芸帳・双竜秘剣　概要

　柳生武芸帳　あらすじ

　徳川の天下を揺るがすと云われる謎の文書・柳生武芸帳。幕府をはじめ各藩に剣術指南役として送り込まれた柳生の門弟たちが書き記した秘密の文書だ。柳生家、北九州の鍋島家、京の藪大納言家に一巻ずつ保管されていたが、 鍋島家の一巻が、お家再興を願う龍造寺家の夕姫（久我美子）によって持ち去られた。秘密を狙う肥前の兵法者・山田浮月斎（東野英治郎）は配下随一の忍術使い、霞の多三郎（三船敏郎）と弟の大月千四郎（鶴田浩二）を差し向ける。
　一方、柳生の統領・柳生但馬守は藪大納言家所蔵の一巻が大久保彦左衛門（左卜全）の屋敷に写されたという情報をキャッチ。息子の又十郎（中村扇雀）を女装させ、大久保彦左衛門屋敷に潜入させるのだが…。（全106分）

　柳生武芸帳・双竜秘剣　あらすじ

　柳生武芸帳探索の旅の途中、千四郎は崖から転落した清姫（乙羽信子）を救い出す。永井家の隠し娘である彼女もまた柳生武芸帳を狙う一人であったが、柳生十兵衛（戸上城太郎）に襲われたという。命を賭けた旅の中でいつしか惹かれあう二人だが、 互いの素性を知るにつれ、結ばれない定めと苦しむことに。
　一方、忍者を捨て、夕姫と共に穏やかな日々を過ごしていた多三郎だが、十兵衛の強襲を受け、夕姫は斬られてしまう。但馬守の命を受け、尾張柳生の兵庫介（初代・松本白鸚）の元へ急ぐ十兵衛を追う多三郎と千四郎。 さらに武芸帳を巡る政争に疑問を抱いた又十郎もまた、尾張に身を潜めていた。尾張名古屋の城下町、血を血を洗う大政争のクライマックスが今、始まろうとしていた・・・。