お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

巨匠・木下恵介がメガホンをとった『四谷怪談』。通常悪党で描かれる直助を、伊右衛門を唆すメフィスト＝悪魔に仕立て、操られるように妻・お岩を殺害、悔恨と罪への不安でもがく小心者の伊右衛門を描く。怪談もの特有のきょうふやおどろおどろしさよりも、心理描写に主眼を置いた作品。
シェークスピアばりの深みのある脚本が魅力。

• 【出演】上原謙、田中絹代、滝沢修、佐田啓二、杉村春子、宇野重吉
• 【監督】木下惠介
• 【制作/分数】1949年/白黒/138分

木下惠介の新釈・四谷怪談　あらすじ

浪人・民門伊右衛門が大店・一文字屋喜兵衛の娘・お梅を救うところを目撃した牢破りの悪党・直助。お梅と伊右衛門の仲を取り持てば金儲けのきっかけになると考え、伊右衛門がお梅になびくよう篭絡する。小心者で貧しさに喘ぐ伊右衛門は、流産したばかりの妻・お岩を気遣いつつも、動揺を抑えることができなくなっていた。
そんなときお岩がふとしたことで顔に火傷を負ってしまう。伊右衛門に嫌われまいと直助がくれた薬をせっせと飲むお岩の形相はどんどん醜く変貌。絶望したお岩は苦悶の表情で死んでゆく。お岩を気遣う小平をも殺害し、二人を情死として届け出た伊右衛門は、晴れてお梅と祝言をあげる。お梅との幸せな生活が続き、次第にお岩の死に顔を忘れていく伊右衛門。お岩と瓜二つの妹・お袖も姉が情死したものと思い、義兄の幸せを願ってはいたのだが・・・。