お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

京都に生きる母娘の葛藤を情緒豊かに描いた川端康成の原作を、伊藤主悦プロデュース、Yuki Saito監督、松雪泰子の主演で映画化した『古都』。山口百恵の引退映画としても知られる『古都』を現代風にアレンジしている。
ストーリーのメインは、老舗呉服店を継いだ母と、人生の岐路に悩む娘の葛藤だが、一方で、京都に残る美しき風景、佇まい、しきたり、をきちんと踏まえ、伝統や光景、心を引き継いでいく難しさと意義、その姿を描いた作品でもある。主題歌には中島みゆきの『糸』が選ばれているが、これを人気上昇中の若手歌手・新山詩織が歌っている。『糸』・・・紡ぎ、繋いでいく人々の想い、流れの大切さが込められているのかもしれない。

「京都の人間は眼だけは肥えてる。せやけど自分で何ができる、何がしたい、それがわからんようになる」

伊原剛志演じる主人公の夫が、進路に悩む娘に伝えるこの言葉は、多くの京都人が持っている自分への不満だと、私も思う。
全117分(特典映像含む）

古都・松雪泰子版　あらすじ

　佐田千恵子（松雪泰子）が京都室町の老舗呉服店を継いで20年。夫の竜助（伊原剛志）と店を守ってきたが、近年では西陣から機織りの音が消え、職人たちの廃業も続いており、店の経営も思わしくない。大学生の娘、舞（橋本愛）は就職活動で忙しいが、いずれは呉服店を継いでほしいと期待している父母の想いが厭わしく、一方で自分のしたいことも見つけられずにいた。
　一方、千恵子には幼い頃、生き別れになった双子の妹、苗子がいた。苗子は京都のはずれで北山杉を扱う林業を生業としていた。苗子の娘、結衣（成海璃子）は絵画を勉強するためパリに留学していたが、彼女もまた何を描きたいのかを見失っていた。　異なる環境に生きつつも、同じような悩みを抱えた二組の母娘・・・。
　ある日、二人の母は、京都とパリで娘たちに大切な帯を贈る。北山杉の模様が織り込まれたその帯は、生き別れた姉妹の想い出がこもったものだった。母から贈られた帯、母から伝えられた想いを胸にした、二人の娘の人生が今、交差しようとしていた・・・。