ハナ肇、植木等、谷啓らクレイジーキャッツがお届けするクレイジー映画の中から、奇妙奇天烈怪奇異色な作品と“怪”つながりの怪盗映画４作をパッケージしたＤＶＤボックス。
まぁ、正直どの作品もけっこう破天荒なのだが、極めつけはやっぱり『奇々怪々 俺は誰だ!?』ではないだろうか。これは見方を変えたら完全な怪談である。ある日朝起きると、自分じゃない自分がいる。
だれもがその見知らぬ人を私だというが、私は私でここにいる。なぜこの私ではない誰かが私で、私は私ではないのか。どこに行ってもそうだ。エッ、俺はいったいだれなんだぁー！！！ って、こんなヘビーな設定、きつすぎるやろ。
まっ、そこがクレイジーのクレイジーたるゆえん。このヘビーなネタをコメディーに変えてしまうんだから、すごい。まるで昔流行ったトワイライト・ゾーンや怪奇大作戦のようなネタだ。
ＣＧや科学技術を多用しなくても、おもしろい映画は作れることを証明してくれる人気映画ボックス。
日本一の男の中の男
造船会社の敏腕セールスマン・小野子等は、会長の大神田を怒鳴りつけ、お荷物子会社に左遷される。奇抜なアイディアで会社の業績をV字回復させる小野子だが、会長の孫娘である未知子の差し金で、今度は宣伝部に配置転換される。多額の接待費を使う小野子の営業方法にはおかんむりの未知子だが、一方で次々と結果を出す小野子に惹かれ始めていたのだ。結果、脚の美しい女子社員にストッキングをはかせてテレビショーに出させる、小野子のアイディアは大ヒット！ ついに新設の外国部長に出世するのだが・・・。
クレイジーの怪盗ジバコ
変装の達人、国際的大怪盗ジバコから来日するとの予告あり。警視庁はいろめきたち、各関係各省庁に第一級の警戒をするよ呼び掛けると共に空港に張り込んだ。果してジバコと警視庁は空港でニアミスを起こすが、ジパコは鈴木刑事に変装をし、その場を脱出。代わりに本物の鈴木啓二が逮捕される。一方、明智少伍郎ら警察捜査陣のもとに凶報がもたらされる。国際窃盗団Ｗ・Ｃ・Ｗ・Ｃが観光団を装い日本に侵入したという。日本の至宝をめぐりジバコ、W・C・W・C、日本警察、三つ巴の大戦が始まろうとしていた。
空想天国
空想大好きな気弱なサラリーマン、田丸圭太郎。空想の中では大活躍し素敵な女性と結ばれるが、現実では失敗ばかり。とうとう社員から守衛に格下げされてしまう。ある夜、田丸と守衛長は巡回中に謎の集団に襲われ、守衛長は入院してしまう。ところが田丸が出会った守衛長の娘・山村宏子は空想に出てくるあの素敵な女性にそっくり！ 喜ぶ田丸だが、その後、警察から謎の集団の仲間ではないかと疑われ、逮捕されてしまう。留置所から脱走した田丸は、例の集団にさらわれた宏子を救うために立ち上がる。
奇々怪々 俺は誰だ?!
親子３人の団地暮しの平凡なサラリーマン、鈴木太郎。ある日、太郎に思いもかけぬ事件が！ 見知らぬ男が鈴木太郎と名のり、会社でも家庭でも鈴木太郎になってしまった。自分が誰かわからなくなってしまった太郎は鉄道自殺を謀るが、そこで人生に絶望した若い娘、百合子と知り合い、二人で放浪の旅に出る。自分を失った太郎は、行く先々でさまざまな役割を当てられ、変身を重ねていった。そんな太郎にとって、優しい百合子だけが慰めだった。さまざまな変身の末、太郎はいったいどこに行きつくのか・・・不思議な物語。
