お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

名匠・岡本喜八の時代劇映画デビュー作。郡司次郎正の『侍ニッポン』を原作に桜田門外の変に人生を左右される、名もなきサムライの半生を描いている。本作を皮切りに、岡本喜八監督と三船敏郎は名コンビとなり、多くの時代劇映画を発表した。実録風のリアルなタッチでドラマが進んでいくのだが、岡本喜八監督らしくテンポのよさがここちいい。岡本喜八監督の生涯のテーマの一つであった明治維新批判もバックボーンに感じることができ、まさに岡本喜八映画という作品。
　最大の見どころは井伊大老襲撃シーン。桜田門外を大がかりに再現し、雪景色の中の惨劇が印象深く描かれている。
モノクロ ／ 120分
【映像特典】予告編／『侍』クライマックスシーン解析　【封入特典】解説書

侍〜さむらい〜　あらすじ

　尾州浪人・新納鶴千代（三船敏郎）は、偶然助けたの井伊大老暗殺を画策する水戸浪士だった縁で、大老暗殺計画に加わることになる。この暗殺をきっかけに出世を夢見る鶴千代だが、同志の会合で、勝手の許嫁と瓜二つのお菊（新珠三千代）という女性と知り合う。
　一方、桜田門で登城する井伊直弼を待ち構える暗殺一味だったが、井伊は全く姿を表そうとしない。仲間の中に裏切者、井伊のスパイがいると踏んだ一味の首領・星野監物は、井伊家と遠い縁がある上州浪人・栗原栄之助（小林桂樹）を暗殺するよう、鶴千代に命じる。栗原とはすでに気のおけない友であったが、出世欲と大義のため、鶴千代は鬼となって栗原を斬殺する。直後、裏切者は一味の幹部・増位惣兵衛（平田昭彦）であったことが明らかになるが、時すでに遅し。鶴千代は大老暗殺の覚悟を新たにするのだった。
　そして運命の日。桜田門を出た井伊大老の駕籠に一斉に襲い掛かる鶴千代と水戸浪士たち。しかし、その影に新たな真実が隠されていた・・・。