名匠 黒澤明のメガホンによる時代劇映画の傑作。
この映画をレスペクトした『荒野の七人』『宇宙の七人』などが制作されるほどの人気映画。
野武士との戦に関する緻密な考察と、七人の浪人の個性的なキャラクター設定、が白眉。
志村喬、三船敏郎、木村功、稲葉義男、加東大介、千秋実、宮口精二、
藤原釜足らがそれぞれ持ち味を発揮している。
野武士に襲われ難儀している百姓たちのため、集まりゆく七人の侍。
人格もあり腕も立つリーダー的存在の島田勘兵衛(志村喬)をはじめ、
参謀的存在の片山五郎兵衛(稲葉義男)、歴戦の勇士七郎次(加東大介)、
ムードメーカーの平八(千秋実)、達人 久蔵(宮口精二)、
ぼんぼん育ちの岡本勝四郎(木村功)、乱暴者の菊千代(三船敏郎)・・・
・・・八犬伝や水滸伝の銘々伝の雰囲気だ。
しかし、七人が集まったのも束の間。野武士との激闘が始まる。
次々と失われる命。百姓たちもまた、さまざまな思いを抱えて戦場に立つ・・・。
クライマックスの大激闘は、映画史上に残るアクションシーンである。
とにかく史上まれに見る娯楽大作で、3時間を越える長編映画でありながら、
まず途中でだれることはない。私が映画館で見たときは途中に休憩が入ったが、
見る前にはトイレは済ましておくことをお奨めします。
1954年度発表・白黒・207分
特典映像付