お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

災難に逢う次節には、災難に逢うがよく候。
死ぬ次節には、死ぬがよく候。
これはこれ災難をのがるる妙法にて候。

名僧として名高い良寛さまの言葉です。けれど、この良寛さま、お年を召しても実家のすねをかじって、女性を囲っておられたり、破天荒な人生を送ったお坊さまでもありました。この短編エッセイ『良寛様の書』の著者・北大路魯山人は人気漫画『美味しんぼ』の海原雄山のモデルにもなった大正・昭和を代表する芸術家で、篆刻家・画家・陶芸家・書道家・漆芸家・料理家・美食家などのさまざまな顔を持っていました。北大路魯山人氏が愛した良寛さまの書の魅力は、魯山人曰く、その人間としての器の大きさに由来するといいます。上手に見せようというのではなく、「一つの点を打つ」「一つの棒を引く」・・・潔くも清々しい筆捌きには、なるほど先の言葉をサラッといってのけるお人柄と、災難や死をも受け入れ、人生を堂々を生きる器の大きさを感じることかと思います。北大路魯山人から良寛さまへの時を超えたラブレター、ぜひお楽しみください。 朗読は三好翼氏。全27分収録。
著作権処理済