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【朗読】 浅田次郎時代小説集〜女敵討、お腹召しませ、御鷹狩、安藝守様御難事など6編(CD6枚組)

浅田次郎の小説を読むと、この人は人間が好きなんだなぁ、とつくづく思う。どんなに情けない理由でも、身勝手な言い分でも、思い込みの激しい動機でも、そういうことも人間やってりゃ、あるよなぁ、という優しさというか達観というか、そういうものを感じる。現代は杓子定規で物事を決めすぎているのかもしれない。遊びがないから、正しいかもしれないが、息苦しくて仕方がない。そのうちに一番大切なものを見失っちまう・・・なんて情けねぇ仕儀になる。
 『お腹召しませ』は、江戸時代から明治時代、過渡期の混乱の中、武士としてのプライドと暮らしの折り合いで四苦八苦する人々の姿をユーモアたっぷりに描く人気小説だ。その他『大手三之御門御与力様失踪事件之?末』『安藝守様御難事』『女敵討』『江戸残念考』『御鷹狩』を収録。朗読は朗読家の平川正三氏。



浅田次郎時代小説集6編 あらすじ


  • 大手三之御門御与力様失踪事件之顛末

    長尾小源太は、大江戸城大手三之門(下城門)に詰め所を構える御百人組の一人。ある日、組頭から同輩で友人の横山四郎次郎が忽然と姿を消した、と告げられる。三之門は大きな密室なので、外へ出る方法はないのだが行方は杳として知れなかった。五日後、発見された横山。記憶喪失をよそおう横山だったが、小源太だけには本当のことを話し始めるのだった…。

  • お腹召しませ

    家を継いだ入り婿が、藩の公金に手を付け、新吉原の女郎と逐電したため、監督不行届きを咎められた高津又兵衛。家を守るには切腹するしかないと云う。上司だけではなく、妻や娘までもが「お一人でお寂しゅうございましょうが、お腹召しませ。」という始末。覚悟はしたものの一言ぐらい婿の実家に文句を言ったやろうと、乗り込むのだが…。

  • 女敵討

    奥州財部藩士・吉岡貞次郎は、国元に妻を残し江戸勤番に就く。2年半が経過した頃、御目付役・稲川左近が真次郎を訪ね、「貞次郎の妻が不貞を働いている、公になれば吉岡家が取り潰しになる。国元に戻り、女房を成敗し女敵を討ち果たせ」と伝えた。14年連れ添った妻の浮気など信じられない真次郎。しかも貞次郎自身、江戸に妾を囲い、子までなしていたのだった・・・。

  • 御鷹狩

    江戸城無血開城で徳川の世が終わり、薩長の田舎侍に占領された江戸の町。市ヶ谷御門周辺には勤皇軍相手に春をひさぐ夜鷹たちであふれた。生活のためとはいえ、誇りを忘れ田舎侍に身を任す江戸女は許せないと考えた若者、檜山新吾、間宮兵九郎、坂部卯之助の三人は夜鷹狩りを計画する。そしてある新月の晩、元服前の若者たちは、闇雲な怒りのはけ口を求めて、計画を実行に移すのだった・・・。

  • 安藝守様御難事

    広島藩主・浅野安芸守茂勲は、老いた御側役に、斜籠の稽古、すなわち広敷から夜盗の如く逃げる稽古をさせられていた。物知りの御住居さまに斜籠について訪ねる茂勲だが、御住居さまは詳細を語らず、「おいたわしい」と泣くばかり。ますます不安が募る茂勲に、御側役は、「真夜中に老中の屋敷で斜籠を披露くだされ」と伝える。なにもかも承知したふりで、事に臨もうとする茂勲だが、果たして斜籠の儀とは・・・。

  • 江戸残念考

    慶応4年正月。御先手組与力・浅田次郎左衛門の元に、家来の孫兵衛が現れ、薩摩、長州と戦になるやも知れぬと伝える。大坂の陣から250年以上の太平の世。よもや自分が戦に巻き込まれようとは思ってもいなかった次郎左衛門だったが、何事もなく時が過ぎ、上司からの沙汰もなかった。しかし次第に鳥羽伏見での敗戦と、将軍・慶喜公が幕府軍を見捨てて逃げ帰ったと云う噂が流れはじめる。そして・・・。


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