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【時代小説朗読】 月島慕情:浅田次郎(CD2枚組)

ありがとね、時さん。
あたし、あんたのおかげで、やっとこさ人間になれたよ。
豚でも狐でもない人間になることが出来た。

 浅田次郎の名作短編『月島慕情』は、明治時代の吉原を舞台にした切なく、でもどこか清々しさを感じさせる名作だ。主人公のミノは下働きから始め、楼閣・亀清楼の金看板である生駒太夫に出世したが、すでに30歳。2度の身請け話が流れている。今度こそ、本当の幸せを・・・と願う女性だ。果たして彼女は幸せにたどりつけるのか? 『平成の泣かせや』の面目躍如。浅田次郎の傑作を、朗読家・小川道子氏の朗読でお楽しみください。


月島慕情:浅田次郎 あらすじ


 子供の頃、東京・吉原に売られてきたミノは、30歳を過ぎ、今や楼閣・亀清楼の金看板・生駒太夫となっていた。ある日、彼女に身請け話が持ち上がる。身請けを申し出たのは、駒形一家の平松時次郎。生駒大夫もまた“時さん”に惚れていた。
「心底惚れた男に身請けされるなんてことがあるものだろうか」
月島の見事な月の夜、時次郎との新しい暮らしをあれこれ夢見る生駒大夫。生駒太夫からミノに戻れるほんとうの幸せが目の前に迫っていた。
 一の酉の日、鳥越神社で時次郎が待ってると聞いたミノは、急いで時次郎の住む月島へ向かう。幸せになろう、時さんのよい奥さんになろうと誓った彼女がそこで見たものとは・・・。


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