お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

人間の内面、特にエゴイズムを描き出し、巧みなプロットで数多くのファンを持つ文豪 芥川龍之介。

本作『河童』は、1927年に発表され、後年の芥川龍之介自殺の動機を考える上で大切な作品といわれる。

「橋の上ゆ 胡瓜なくれは 水ひびき すなはち見ゆる禿の頭」

芥川龍之介自殺直前の句にも、この『河童』が関連している。

ある精神病患者が、話す不思議な物語。
彼は３年前、穂高山登山の途中、河童と出会い、追いかけているうちに河童の国に迷い込んだという。
そこは、すべてが人間社会と逆で、
雌の河童が雄を追いかけ、出産時には、胎児に産まれたいかどうかを問う、という不思議な世界だった。
河童の国の不思議な社会制度や芸術、宗教観を通して人間社会を鋭く諷刺した、芥川の最晩年の代表作。