お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

「日本における批評の文章を樹立した」

三島由紀夫にそう評価された日本の近代批評の確立者・小林秀雄。
その雄勁で個性的な文体と、読むものの肺腑を突く鋭い言葉は、さまざまな分野の批評に強い影響を与えた。
文学の批評に留まらず、西洋絵画の評論も数多く手がけ、ランボー、アラン、サント・ブーヴなどの翻訳も行った。

小林秀雄をもって、凡百の批評家や現在のコメンテーターなるものと一線を画すは、氏が太平洋戦争勃発前まで積極的に戦争プロパガンダに加担していたことに対し、
「頭のいい人はたんと反省するがいい。僕は馬鹿だから反省しない」
と語ったことにあるかもしれない。
この開き直りとも思える一言は、多くの左翼的批評家から批判を浴びたが、実はその真意は、敗戦後、世間一般の風勢に流され、その立場を180度転換した多くの元右翼的文化人を揶揄したものと言われている。
およそ批評家たるもの、世間一般の価値観をもって自分自身の立場を決定するものではなく、己の見識と識見をもって批評を行う、そこに批評家の存在意義がある。

本作では、日本における文芸批評を確立した小林秀雄が歩んできた道を紹介する。
全47分収録

---