アジア史学会会長で京都大学名誉教授でもある上田正昭氏が、日本古代国家成立の謎に迫る歴史講演CD集。日本の古代史を綴った二大歴史書『古事記』と『日本書紀』。さらに古代日本の様子を記述した『魏志倭人伝』など、さまざまな文献を題材に、4つの視点から日本古代国家の成立を解説する。
『古事記』『日本書紀』に記された日本神話の世界、ヤマトタケルノミコト(日本武尊)伝説、雄略天皇の時代、そして卑弥呼と邪馬台国・・・古代日本の秘密に迫ります。
用語解説書付(8ページ)
講演・日本の神々と古代国家成立 収録内容
神話の世界〜『古事記』『日本書紀』より
8世紀初めに完成した古代日本の2つの代表的歴史書。語り部によって伝えられる伝承をほぼそのまま記録し天皇統治の正当性を示した『古事記』と、白村江の大敗による危機状態の日本に於いて、国歌のアイデンティティーの再構築を目的に編纂された
『日本書紀』を紐解き、、その違いを示しつつ、古代日本の神話の世界をあぶりだし、記紀神話の成り立ちと内容を解説する。
『日本書紀』では『古事記』の触れていない推古天皇以降の記事が多い点も興味深い。【全64分収録】
日本武尊=ヤマトタケルの英雄伝承と古代国家成立
『古事記』『日本書紀』に加え、『風土記』などにも登場するヤマトタケルノミコト(日本武尊)。映画や歌舞伎、講談にもなる日本を代表する英雄だが、
その人物像は、書物によって、さまざまな違いが見受けられる。名前の表記でさえ、さまざまである。古代王族の英雄武将ヤマトタケルノミコトの人物像に迫り、古代日本の英雄伝承の意味と、古代国家の成立に果たした役割を考える。【全54分収録】
雄略天皇と日本古代国家の成立
日本古代国家成立時期については、長い間「七五三論争」という激しい論争が繰り広げられてきた。原初国家誕生の三世紀説、雄略天皇の五世紀説、
天武天皇・持統天皇の七世紀説の三つがあるが、上田正昭先生は五世紀の雄略天皇の時代に国家が成立したという説を主張されている。
雄略天皇の時代を紐解き、その根拠を語る。【全57分収録】
女王・卑弥呼と邪馬台国
中国三国時代の歴史書『魏志倭人伝』の、古代日本に関する記述は主に、邪馬台国の方位や場所の記述、衣類など風俗の記述、魏国との外交関係の記述、
3つの部分で構成されている。その記述内容には、信頼できる記述部分と少し工夫をして読み解く必要があると、上田正昭先生は語る。
『魏志倭人伝』を紐解き、卑弥呼と邪馬台国についてわかりやすく解説いただき、日本古代国家の成立の根源を追う。【全59分収録】