お経・御詠歌など仏教CD＆DVD | 京都 市原栄光堂

中国で天安門事件に遭遇し、帰国後ほどなく心筋梗塞で緊急入院。生死の境を彷徨った水上勉が、死直面する自らの生のありようを独自の語り口で綴った作品『醍醐の桜』。朗読家・小川道子の丁寧な朗読でお楽しみいただきます。
『命』『生死』という言葉にふと立ち止まったとき、老境を感じた時、特にオススメしたい作品です。全98分収録。

【朗読】醍醐の桜 / 水上勉

集中治療室で眠っているときだろう。私は不思議な夢を見た。敗戦の前年、輜重騎馬隊に配属されと私は伏見墨染町にいた。担当の馬は『照銀』は牝馬だったが、彼女がベッドのそばに来て、女座りをしてしきりに昔話をするのだ。そういえば醍醐にまで足を延ばしたとき、彼女を繋いだ桜の木はどうしているだろう。
病が一段落し、醍醐のリハビリセンターになった私は、彼女を繋いだあの桜樹を捜し歩くのだが・・・。