現代まで読み継がれる『古事記』『日本書紀』の記紀記録や『出雲国風土記』。その中で繰り広げられる古代の神々の活躍。日本の神々の姿に迫り、古代史の奥深さに触れるとき、日本各地に残る神社との関係や、日本国の成立ちが見えてくる。古代史研究の大家が、『古事記』『天照大神』『出雲国風土記』『伊勢神宮』をキーワードに、日本の古代史のなぞを紐解きます。
日本最古の歴史書『古事記』を読む (阿刀田高 / CD2枚組・全136分)
現存する日本最古の歴史書『古事記』。上・中・下巻に構成された歴史書だが、本講演では、disc1にて『神の巻』といわれる上巻を考察。因幡の白兎や八岐大蛇退治など、話の一部は知っているものの全体像がつかみにくい『古事記』を、主要な神々の行動と系譜に焦点を絞って解説している。disc2では、仁徳天皇や雄略天皇など現実の歴史の話が描かれる中・下巻を考察する。『古事記』に描かれる歴代の天皇の活躍の記録を紐解いていく。講師は、直木賞も受賞した小説家・阿刀田高氏。世界各国の古典を読み解いた『旧約聖書を知っていますか』『ギリシア神話を知っていますか』などでも有名である。
天照大神・誕生から現代へ続く物語 (鎌田東二 / CD・全61分)
天岩戸の物語の有名な天照大神(アマテラスオオミカミ)。各地の神明社に古くから奉られてきた天照大神の物語を紐解き、日本列島の特性から見る神道の在り方などを、風土や地理学、信仰の関わりも交えながら語り明かす。講師は京都大学・こころの未来研究センター教授・鎌田東二氏。神職の資格を持ちながら神道ソングライターとして約200曲の作詞を行い、ライヴ活動を続ける人物である。
『出雲国風土記』を読み解く (瀧音能之 / CD2枚組・全114分)
神が集う国・出雲の歴史を綴った『出雲国風土記』。disc1では、『古事記』『日本書紀』には記載がない国引き神話について語られる。出雲の国がいかに生まれたか。八束水臣津野命の活躍を描き、現在の島根県の地形と照らし合わせ読み解くことで、神話の世界がより身近に感じられる。disc2では、有名なスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治を『出雲国風土記』より読み解く。ヤマタノオロチは出雲国そのものであり、スサノオは朝鮮半島からの渡来神であると設定。製鉄技術の伝播を含め語り明かす。講師は『出雲国風土記』研究の第一人者で、島根県古代文化センター客員研究員も務める瀧音能之氏。
伊勢神宮の歴史 (矢野憲一 / CD・全61分)
伊勢神宮で20年に一度行われる式年遷宮。その起源は持統天皇の時代に遡る。また、米の豊作を感謝する神嘗祭は伊勢神宮の存在を象徴する祭りである。江戸時代に普及した7伊勢神宮への参拝は、平成の現代でも多くの人が行っている。日本人の心の拠り所となった伊勢神宮の歴史を、40年間、伊勢神宮に奉職し、現在はNPO法人五十鈴塾塾長として活躍する矢野憲一氏にお話しいただく。